キミはツチノコ

京都 女

わたしの仕事場

お題「わたしの仕事場」

 

 

わたしの仕事場は大阪の会社。

わたしは大阪の会社の事務員である。

わたしの仕事は主に契約書にハンコを押す仕事である。

 

契約書にハンコを押すって間違えられないし

ちょっとドキドキするんじゃないかと思うけど

確かに新人の頃は、とっても慎重に丁寧に、押す場所も押す位置も、

会社名の漢字のこの横棒に角印の端っこを合わせて、、なんて数ミリ単位で気にして

恐る恐る押してましたけど

今や脳みそは寝かしながらロボットの如く

ポンポンポンポン手だけ動かせるようになりました。笑

 

数年前の少し若かった頃、

『わたしはこのまま一生ハンコだけ押して、

何も成長しないまま、何のスキルも身につかないままに、歳だけとって良いのだろうか…』

というこのままではいけないような

多分社会人に一度は訪れるであろう

なんだかこのままではいけないような、

キャリアアップしていく周りの同世代に劣等感を感じる時期が一丁前にあったのです。

 

だけど、ふと思えば

ハンコという物が一生存在するわけもないだろうな

とも思うことがありました。

なぜなら今やなんでも電子に切り替わっている時代ですし、IT企業勤めの友達に話を聞くと

デスクの上に紙なんて一枚もないんだとか。

わたしの職場なんて紙だらけだよ、壁中がファイルの棚に囲まれて、もしも大地震が来たら全員死因はファイルの下敷きになっての生き埋めだよ

って言ったら引いてました。 

 

今後もっと電子化が進んだら将来は日本のハンコ文化もきっと無くなるんだろうな…

そうなったらハンコ仕事なんて消滅するんだろうな…

未来のテレビの特番『今昔お仕事比べ!』みたいなバラエティー番組で

『令和の事務仕事は全て手作業でした!事務員さんが手作業で契約書に一枚一枚印鑑という朱肉を付けて印影を付けるという原始的な作業を朝から晩まで行っていたのです!』

(会場)「えーーーーーー!!」

 

なんてゆう時代になるのかな。

 

そんな番組を茶の間で孫と見ながら

『おばあちゃんはね、昔この仕事やってたのよ。全部手でハンコ押してたんだから、大変だったのよ〜』

なんて孫に感慨深く昔話の武勇伝的な話できるなぁ

とか思って、

そう思ったらわたし今しか出来ない結構貴重な仕事してるんじゃないか?

だってハンコって衰退傾向にあって

今後はある意味絶滅危惧種的な存在になるかもしれない存在で、

今の時代を象徴するようなお仕事なんじゃ?

とか思ったりして。

 

そしたら今のお仕事もなかなかありか

なんて思い直して今も毎日脳みそを寝かしながら、たまに起こしながら、相変わらずロボットの如くハンコを押しているのである。